どこまで準備すればよいか

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Q万一に備えるとしても、どの状態までを考えればよいのでしょうか。例えば天井走行リフターや上下するキッチンユニットは必要ですか。
A万一に備えるといっても、その状態は千差万別です。どの程度、介助が受けられるかによっても使える機器は違ってきますが、高齢者の生活の自立といったことから考えると、ある程度範囲を限定して考えることは可能です。こうした視点で私たちは、基本的に高齢で身体機自助噸低下して杖や歩行器を使う状態までは自分たちで生活でき、車椅子は簡単な改造で使えるように住まいを考えてきました。このように考えると天井走行リフターや上下するキッチンユニットは一般には必要ない備えです。
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天井走行リフターなどの大型介護機器
天井走行リフターなどの大型介護機器は、例えばすでに車椅子を使用している一般の障害者で、半身にまひはあるが障害のない部分は自在に動けるといった状態のときは、大変便利で利用価値が高いものです。これに対し、高齢者は体の機能が全体的に低下するので、自分でこうした機器は使えません。むろん元気な介護者がそばにいて、負担を軽くするために用いることは考えられますが、私たちの経験からは70代後半や80代の高齢夫婦が必要になっても使いこなせないように見受けられます。こうした機器は使える人がいて初めて設置価値があります。10年後、20年後を想定して天井にレールだけ装備する方法もありますが、そのころにはもっと簡単で違った方式の機器が開発されているかもしれないので、将来の備えとしては必要ないでしょう。
上下するキッチンユニット
上下するキッチンユニットは、使う人の身長に応じて、台の高さが自動的に変えられるものです。年をとり前屈(かが)みの姿勢になったときや車椅子を使用するときでも使いやすい高さにいつでも変えられるといった利点がありますが、価格は通常より2~3倍高くなります。こうした高さ調整は身長差のある2人以上の人が同じように使用するときは便利ですが、20~30年先に備えて設置する必要はありません。それより、流しなどの高さが合わなくなり作業しづらいと感じたころ、取り替えるほうがよいでしょう。キッチンは長く使っているうちにレンジ回りなどが汚れたり、機器が作動しにくくなりがちです。そのときには台所仕事も、簡単にすませるようになっている場合もあるでしょう。必要なときに、そのときの生活にふさわしい使いやすいキッチンを選ぶほうが、経済性や利便性、美観上からも好ましいといえます。